PORTFOLIOKAZUMA HORIGUCHI
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個人卒業研究 · 感情教育 / 2025

Emotia

感情を否定する前に、自分の中にあると気づく。

中学生がシャーデンフロイデを理解・整理するための教育ツール。ゲーム・解説資料・分類マップを、一続きの学びとして設計しました。

制作
個人卒業研究
対象
中学生を想定
役割
テーマ探索・ツール制作・ワークショップ実施
検証
大学生13名(研究記録)

GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025 入選
公式記録:仕組みのデザイン / 25NHA040008 ↗

Emotiaの制作した作品の紹介画像
制作時の記録より。

01 / 課題と対象

説明を読んでも、自分の感情だと気づけない。

他者の不幸を喜ぶ感情を、自分の経験として捉え直すための研究です。当初は文献の説明に偏っていましたが、指導を受けて、知識を伝えるだけではなく本人が気づく体験へ軸を移しました。想定対象は中学生です。

02 / 判断と代案

『消す』から『認める』へ。

当初は不幸を喜ぶ感情をなくす方法を考えていました。そこから、感情があることを認めて一歩引いて見る目的へ転換。説明から始める案に対し、まずゲームで経験し、そのあとに感情の名前を知る順序を採用しました。

友人へのアンケートなどで100件以上のエピソードを収集。これは回答者数ではなく事例数です。事例を整理する過程を、カードゲームと分類マップという道具につなげました。

出典:研究記録(調査・検証) ↗

03 / 体験の設計

発生 → 認識 → 整理。

まず体験し、その感情に名前をつけ、他者の見方と照らし合わせる。説明だけで終わらないよう、3つの段階をつなぎました。

STEP 01 · 発生

ゲームの中で、感情に出会う。

アウトゲームでは会話のルールを増やし、誰かのうっかりした失敗を面白く感じる瞬間をつくります。知識の説明より先に、自分の反応を体験する順序です。

制作時の体験フロー図:カードゲームを行い、相手の失敗を喜ぶ場面
制作時の体験フロー図から、ゲームの場面。図全体を開く ↗

STEP 02 · 認識

さっきの笑いに、名前をつける。

解説資料で直前の体験を振り返り、「他者の不幸を喜ぶ感情」とシャーデンフロイデを結びつけます。遠い概念ではなく、自分にもある感情として気づくことを目指しました。

制作時の体験フロー図:解説を聞き、直前の感情の名前に気づく場面
制作時の体験フロー図から、解説と気づきの場面。図全体を開く ↗

STEP 03 · 整理

事例を置いて、見方を話し合う。

具体的な事例のカードを読み、分類マップのどこに置くかを話し合います。同じ出来事でも捉え方が違うことに触れ、自分の感情を一歩引いて見る段階です。

実制作の事例カード:お風呂でオリジナルソングを熱唱し、家族にいじられる
実制作の事例カード。
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研究記録の分類マップ:正義系、競争系、区別系、エンタメ系
研究記録の分類マップ。
全体を大きく開く ↗

正義・競争・区別・エンタメの4カテゴリーは、この作品で用いた整理の枠組みです。唯一の確立された分類として示すものではありません。

04 / 検証と成果

気づきの報告と、教育効果を分けて伝える。

大学生13名へのワークショップ後、アンケート・インタビューで13名中9名が日常でも感情に気づくようになったと報告しています。ワークショップ後の自己報告であり、改善率や効果量を示す数字ではありません。

GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD 2025(グッドデザイン・ニューホープ賞)入選。仕組みのデザイン部門、受賞番号25NHA040008。通常のグッドデザイン賞とは異なる賞です。

出典:研究記録(調査・検証) ↗

05 / 学びと限界

次は、想定する学びの場で確かめる。

検証対象は大学生であり、中学生への教育効果やいじめ防止効果を実証したものではありません。今回の振り返りでは、参加者の気づきを捉えました。教育効果を確かめるには、対象や比較条件を整えた検証が必要です。

体験を自分の言葉で振り返る構成が、この研究の中心です。今後は学校現場での扱い方、進行者への支援、参加者を傷つけない事例選びを検討する必要があります。これらは今後の課題です。

出典・掲載範囲

制作当時の記録をもとに、取り組みと振り返りをまとめました。

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